鹿児島中央駅から屋根続きで行ける中古の店舗兼住宅をリノベーションしました。物件は随分前から空き家で、解体更地渡しとして売りに出されていましたが、内見したところ物も片付いて悪い印象を持たなかったため自分の住まいとして購入に踏み切りました。
印象は悪くなかったと書きましたが、日照は皆無だったため、屋根に天窓を設け、階段をスリット状にして光の射すプランとしました。一階は事務所として使いやすいよう板土間とし、少人数の打ち合わせが行える空間となっています。また、少しでも街並みをよくするために玄関を60センチセットバックさせ植栽スペースを設けました。居住空間は商店街の騒音から回避するため2・3階にまとめ、光という景色を天窓から取り込み眺められる食卓と台所となっています。
光のルーバーの役割となっている階段は鉄骨で製作。踏み板は鉄板6mmとかなり薄くシャープですが、足触りを考慮し踏板のみ豚革が巻いてあります。
開口部には、麻布を用いた建具を設え、外部の視線を遮りながら風と北側からの安定した光を取り込むためる計画としています。素材の選択として簾などもありますが、予算を抑えるため園芸用資材の麻布を簾に見立てて製作しています。