スタンダードなボードデザインに、建具の鏡板に竹細工を落とし込んだ。竹は弁当箱等で見られる「ゴザ目」という編み方を、あえて竹の身側（裏面）を見せることで、光沢のないマットな仕上りとなっている。竹編みは石油製品やガラスと違い、静電気を起こさないため、埃を呼び寄せず放熱性も高いため、ミュージックプレーヤー等のAV機器の収納として相性が良い。もちろん収納の底にはコード用の配線穴も設けてある。

さらに収納のセンター部には深さ25mmの木製トレイ仕込んであるので、ポストカードやアクセサリーといったお気に入りの小物が仕舞える。

左右収納の背板は設けず貫通しているため向こう側の壁の色を切り取る。壁に表情があれば置くものも映える。

棚ダボの真鍮以外、建具や引出しトレイの機構には金属を一切使わず、木製の溝や摺桟で仕上げてあり、可動させても金属音が一切しない。まるで障子を動かすのような音と使い心地の家具をぜひ味わってほしい。