僕は鹿児島県の港町で生まれ育ちました。周りには大小さまざまな造船所や鉄工所、船具店があり、幼い頃から眺めていたのを今もよく覚えています。視線の先には職人や漁師達の世界が広がっていて、秘密基地のような佇まいと「子どもは入るな!」という空気感は子ども心をくすぐりました。大人になった今、業種は違えど家具工場や建築現場に行ってワクワクするのは幼い頃入れなかったことへの反動なのかもしれません。いつまでもその好奇心を持ち続けたいという思いから屋号は港にまつわるものがよいと考えました。自分がこれからどんな家具、道具、空間をデザインしていきたいか?結果たどり着いたのが船の「sail(帆)」です。「帆」は目に見えない自然の風を読んで前へ進むために先人達が考え出した道具です。僕の考えるものもつくり手や使い手の想い、風土や伝統といった直接目には見えないことまで大切にしたデザインをしたいという思いが屋号には込められています。

これまでの業種の枠にとらわれないデザインで、建築と家具の技術を繋ぎ、素材の新しい魅せ場や技術継承の可能性をつくり手と分かち合うことをテーマに活動しています。

中村圭吾 Keigo Nakamura
家具・プロダクトデザイナー/住宅設計
1986年鹿児島県生、鹿児島情報ビジネス専門学校インテリアCADコース卒業後 (株)ベガハウス入社、住宅の営業から設計現場管理を通して建築と家具に関心を深める。2017年sail設立。2019年2月拠点を鹿児島から神奈川へ移し、全国の家具産地を渡り歩く日々。